こんにちは、病棟ナースのめめナースです。
今回は、前回ご紹介した90歳・誤嚥性肺炎のAさんのケースをもとに、看護師としての観察ポイントと、ST(言語聴覚士)・栄養士との連携の進め方について掘り下げていきます。
🔍 看護師の観察ポイント5選
誤嚥性肺炎の兆候は、日常ケアの中で“さりげなく”現れます。以下のポイントを意識して観察することが重要です。
① 食事中の様子
- むせ(咳の有無)
- 飲み込み後の咽頭残渣(ゴロゴロ音)
- 途中で食事を止める、疲れた表情になる
② バイタルサイン
- 微熱(37℃台でも要注意)
- 呼吸数の増加(20回/分以上)
- SPO₂の低下(通常より2~3%低い)
③ 意識レベルの変化
- いつもより反応が鈍い
- 食事やケアへの参加が減る
④ 痰の状態
- 色・量の変化(黄色~緑色の粘調な痰)
- 吸引頻度が増えた
⑤ 口腔内の状態
- 口腔内が乾燥、食渣が残っている
- 口臭や出血傾向(清潔不良)
🤝 ST(言語聴覚士)との連携ポイント
STは嚥下機能評価と訓練の専門家です。看護師としては「現場の気づき」を具体的に伝えることが大切です。
▶連携のタイミング
- 食事中に繰り返しむせる
- 誤嚥性肺炎の既往がある
- 意識・筋力が低下している
▶報告内容の例
- どのような食形態でむせたか(例:トロミ水でむせ、ゼリーは大丈夫)
- むせのタイミング(飲み込み前・後)
- 食事中の集中力の低下や疲労の様子
- 嚥下音・湿性ラ音の有無(看護師でもわかる範囲で)
▶STが行うこと
- 嚥下スクリーニング(反復唾液嚥下テスト、水飲みテストなど)
- 安全な姿勢や食形態のアドバイス
- 嚥下訓練(アイスマッサージ、シャキア訓練など)
🍽 栄養士との連携ポイント
栄養士は安全に食べられる形態の判断と栄養バランスの調整を担います。
▶連携の内容
- 食事量や体重変化(継続的に報告)
- 嚥下評価の結果を共有し、適した食形態へ調整
- 嗜好や宗教的配慮が必要なケースも相談
▶看護師がサポートできること
- 食事中の見守り、介助方法の共有
- 「この食形態で食べやすそう」など現場目線の意見を伝える
- 食後の口腔ケアや誤嚥リスクの評価
✨ まとめ
誤嚥性肺炎のケアでは、“いつもと違う”を見逃さない看護の視点と、ST・栄養士との日常的な連携がカギになります。
忙しい中でも、「あの人、今日は食べるのが遅いな」「いつもより口が乾いてる?」と感じたら、それが重要なサインです。
次回は、心不全についてご紹介する予定です。
ご質問や取り上げてほしいテーマがあれば、お気軽にコメントくださいね😊
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