【病態シリーズ】心不全患者の観察ポイントとチームでの関わり方

こんにちは。内科病棟で働く看護師のめめです。
今回は、心不全について、病態の基本から、現場での観察・ケア、そして多職種との連携までをまとめてみました。


💔 そもそも心不全とは?

心不全は、「心臓が全身に十分な血液を送り出せなくなった状態」。
つまり、心臓のポンプ機能が落ちて、体に水分が溜まったり、臓器がうまく働かなくなったりする状態です。

原因は高血圧、心筋梗塞、不整脈、心筋症などさまざま。高齢者に多く、再入院率も高い疾患です。


🧓 【症例】心不全で再入院された80代女性Bさん

🔹背景・既往歴

  • 80代・女性/心不全で2回目の入院
  • 高血圧・慢性腎不全・軽度の認知症あり
  • ADL:自立~一部介助
  • 1週間前から「息切れ」「食欲低下」「体重増加」

🔹入院時の状態

  • 呼吸苦あり、SPO₂ 92%(室内気)
  • 浮腫(下腿に指跡が残る)
  • 頻尿・夜間のトイレが増えた
  • 聴診でラ音(湿性雑音)あり
  • レントゲンで肺うっ血/BNP高値

→ うっ血性心不全と診断


🔍 看護師が観察すべきポイント

① 呼吸状態

  • 呼吸数・SPO₂
  • 労作時呼吸困難(トイレ歩行後に息切れする など)
  • 寝る姿勢(仰臥位を嫌がり、起座呼吸になっているなど)

② 浮腫・体重変化

  • 下肢・仙骨部の浮腫(毎日視診・触診)
  • 体重の急増(前日比+1kg以上なら要注意)

③ 尿量・利尿効果

  • 利尿薬投与後の尿量チェック(時間・量・色)
  • トイレの回数と様子(夜間頻尿が増えているか)

④ バイタルサイン

  • 血圧の変動
  • 脈拍のリズム(不整脈が出ていないか)

⑤ 食欲・意識

  • 食欲不振は「うっ血の悪化」のサインかも
  • 会話中の眠気、集中力低下

🤝 チームでの連携ポイント

🫀 医師との連携

  • 観察所見(体重・浮腫・呼吸苦・尿量)を正確に報告
  • 利尿薬調整のタイミングで情報共有

🧑‍⚕️ 栄養士との連携

  • 食事摂取量が減っている → 栄養補助の提案
  • 塩分制限(6g未満など)の理解と継続ができているか確認

👟 リハビリスタッフとの連携

  • 呼吸苦による活動量の低下 → 廃用予防に向けた歩行訓練
  • 転倒リスクのアセスメント(浮腫・ふらつき)

💡 まとめ

心不全の患者さんは、わずかな変化を早く見抜くことが予後を左右します。
看護師としての「観察力」に加えて、医師・栄養士・リハビリ・薬剤師など多職種との情報共有が早期対応のカギになります。

患者さんのQOLを守るためにも、日々の小さな変化に敏感でありたいですね😊

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