こんにちは。内科系病棟勤務の看護師めめです。
今回は、糖尿病について、病態の基本とともに、病棟での観察・ケア、多職種連携のポイントを実例つきでご紹介します。
🩸 糖尿病とは?
糖尿病は、インスリンの作用不足によって血糖値が慢性的に高くなる病気です。
進行すると、網膜症・腎症・神経障害などの三大合併症に加え、足潰瘍や感染症リスクも高まるため、日々の観察とケアが重要です。
🧓【症例】70代・男性 Cさん
診断名:2型糖尿病、糖尿病性神経障害、足潰瘍(左足趾)
🔹背景・既往歴
- 20年来の糖尿病あり(インスリン治療中)
- HbA1c:9.2%(コントロール不良)
- 足趾に小さな傷 → 放置 → 潰瘍化して感染し入院
- 下肢にしびれ・感覚鈍麻あり(神経障害)
👀 看護師の観察ポイントまとめ
① 足の観察(フットケア)
- 傷、皮膚の色調(発赤、黒ずみ)
- 感染兆候(熱感、腫脹、悪臭、膿)
- 爪の状態(巻き爪や爪下出血)
- 感覚(しびれや痛みの有無)
- 毎日の足チェックと保湿・洗浄
② 血糖コントロール
- 血糖値のトレンド(低血糖・高血糖)
- インスリン注射部位の硬結や内出血
- 食事摂取量と薬のタイミングが合っているか
- 低血糖時のサイン(冷汗・ふるえ・意識変化)
③ 精神・認知面
- インスリン自己管理能力の確認
- 糖尿病に対する理解と不安の程度
- 合併する認知症やうつの影響
🤝 多職種連携のポイント
🧑⚕️ 医師との連携
- 血糖・創部の経過報告
- インスリン量や抗生剤の調整のタイミングで連携
- 低血糖エピソードや自覚症状の有無を共有
🦶 栄養士との連携
- 食事の摂取量、食べる時間の安定性
- 好みや食事制限の理解度
- 血糖変動が大きい患者への個別対応の提案
🩺 リハビリとの連携
- 足病変による歩行困難への評価
- 装具(靴・杖など)使用のアセスメント
- 自立支援と運動療法の調整
🧠 糖尿病療養指導士(CDE)との連携
- 血糖自己測定の指導・フォロー
- インスリン自己注射の技術確認
- 退院後の生活指導・継続支援体制の構築
🌟 看護師としてできること
糖尿病ケアにおいて看護師が果たす役割はとても大きいです。
- 毎日の足チェックで重症化予防
- 自己注射や食事管理の支援でセルフケア促進
- 精神面の支えと継続的な声かけで、治療継続意欲を引き出す
「看護師が関わるだけで、足の切断を防げるかもしれない」――そう思うと、私たちのケアには力があります。
✍️ まとめ
糖尿病は「数値」だけでなく、「人」を見る病気。
患者さんの足元から、生活、こころのケアまで、チームで支えることが糖尿病看護の鍵です。
テーマのリクエストや質問があれば、お気軽にどうぞ😊
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